発達障害の息子が修学旅行へ行けなかった理由は?
息子は特別支援級の情緒クラスに在籍しています。
支援が必要なだけではなく、不登校児でもあるので、他のご家庭よりは学校と密に連絡を取る必要がある現在です。
そんな息子が小6の時、修学旅行がありました。
「出来る限りの支援で、可能であれば参加させてあげたい」と思うのは、どこの親も同じではないでしょうか。
親が学校に提示したお願いに対しての返事をいただくべく、学校に出向いた時のお話です。
発達障害の息子が修学旅行に行くために学校に提示したお願い
担任の先生に呼ばれ、保健室の別室をお借りして、修学旅行で提案したことのお返事を聞くことになりました。
部屋に入ると、担任の先生だけではなく、4月に配属されたばかりの特別支援教育コーディネーターの先生もいらっしゃいました。
1対2という、なんとも変な威圧感の中、報告が始まりました。
こちらがお願いしたことは、
☆親が同伴したいこと
☆事前に参加したいイベントを子供と相談して決め、単発的な参加を認めてもらいたいこと
これは小5の宿泊学習の時も同じ提案をし、受け入れられませんでした。
しかし、前回の宿泊学習よりも移動範囲の規模が大きい事や、
前回の宿泊学習の提案を受け入れられなかったことで、それまで上向きだった本人の参加意思が、
ゼロになってしまったという結果の下、学校側も少しは考えてくれるのではという気持ちが私にはありました。
望んでいなかった返答
担任の先生からの答えは、「親同伴はせず、本人一人で参加させてくださいというのが校長の回答でした」
そして「今年は支援級の先生が人数の関係で、コーディネーターの先生一人しかついていけません。車いすの生徒さんと息子さんの二人を一人の先生が見る事になります」
私は耳を疑いました。
例年では支援級の担任の先生が必ずついてきてくださったのに、息子にはなし?!
一年前の宿泊学習の時は、たくさんの言葉を飲み込みましたが、その時は止まりませんでした。
「なぜですか?他の生徒さんのご迷惑になるからですか?」
「いえ、そんな事はないと思います」とハッキリ答える先生。
私は声が震えていました。
「料金の面でご迷惑がかかりますか?個人料金で払うって言ってもダメですか?」
「その点に関しては特におっしゃっていませんでした」と先生は言います。
「先生は息子が、一人で全ての行程をこなせると思ってますか?
あなたがついていけないなら、なおさら親の私がフォローに行くべきではありませんか?!」
何も言えず、先生は辛い表情をしてただうつむくだけでした。
この先生に当たっても、筋違いかもしれない。
なにせ結論を出したのは校長なのだから。
そう思うと、もっともっと言いたい事があっても喉の奥に押し込み、手の震えが止まりませんでした。
「参加する意味がありますか?」
ずっと黙って聞いていたコーディネーターの先生が口を開きました。
「単発に参加するって、ちょっと名物を食べて美味しかった!ってだけで帰るのですか?
それって参加する意味がありますか?」
絶句してしまいました。
私はたとえそれでもいいと思っていました。
集団活動に短時間でも参加できる経験、本人がみんなと交われた楽しい記憶、
学校行事に関わって、一つの目標をこなせたという達成感。
それはこれから中学になっても予定されている修学旅行にもプラスになると思ったからです。
そして重ねてコーディネーターの先生は言いました。
「遊園地に行ったら、車いすのお子さんに合わせて一緒に回って歩くことになりますけど、
それで息子さんは楽しいでしょうかね?」と。
私は、なぜ息子が車いすの子に全面的に合わせた修学旅行を行なわなければならないのかととても理解ができませんでした。
体の障害と情緒の障害では、フォローする部分が全然違います。
その子その子に合った支援が大切なのは、素人ではない先生方には分からないのでしょうか。
4月に赴任されたばかりのこのコーディネーターの先生だけの引率では、息子の事を何も理解しておらず、
とてもリスクが高い修学旅行になるのは一目瞭然でした。
私は息子に辛い思いをさせる為に修学旅行へ行かせたいわけではありません。
前回の宿泊学習で、校長に直談判しても理解されないのは分かっていたので、修学旅行の参加は辞退することに決めました。
悔しさのあまり、涙を流しながら家路へ向かったのを先生は知りません。
まとめ
どうしてこうまでも歩み寄ってもらえないのか。
親が求めすぎるのか。モンスターペアレントになっているのか。
たくさんたくさん考えましたが、やはり私は納得が出来ぬまま今に至ります。
学校側から少しでも何とかして息子君を参加させてあげたい!って気持ちが伝われば、
私も全然違ったでしょう。
息子にはまだ中学高校で、修学旅行というものがやってきます。
その時には「行きたい」と思えるように、けして学校の無理解について怒りや不満は息子の前では話さず、
静かに修学旅行の日を家族で過ごす楽しい日として迎えました。
「今頃遊園地行ってるかなぁ?」と息子が言った言葉に、胸が痛んだ修学旅行の日を今も忘れる事が出来ません。
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